東海第2原発 再稼働認めず、廃炉求める請願 大内くみ子県議が採択を主張
自民、民主が反対 公明は棄権


茨城県議会第2回定例会は2012年6月15日、本会議を開き閉会しました。
大内久美子県議の反対討論はつぎのとおりです。



日本共産党の大内くみ子です。
第87号議案は、県立学校の再編です。総和高校を中高一貫校に改編し、常北高を水戸桜ノ牧高の分校にしようとするものであり、同意できません。

1学年5学級の総和高校を廃止して、3学級の古河中等校の設置で2学級減となり、希望者を締め出すことになってしまいます。
問題は小学生から受験競争が始まってしまうことです。すでに改編された並木中等校は競争率4倍です。

常北高は1学年2学級の高校です。生徒と教員の人間的なつながりが強まり、地域との連携も広がって、進学と就職率が100%と努力が実っています。単独校として存続・拡充すべきです。

●「30人以下学級」を実施し、高校への希望者全員入学こそ


少子化を理由にこの10年間で17校、124学級を削減し、受験競争を強め、高校間格差を広げてきました。
国連子どもの権利委員会は、日本政府に「過度の競争主義的な環境の再検討を」と3回勧告しています。再編計画は撤回し、1クラスの人数を30人以下にして、希望者全員の入学を保障することを強く求めるものです。

報告第2号の別記3は、県税条例の一部改定です。
漁業者や農業者などから強い要望があった軽油引取税の非課税措置の継続には同意いたします。
しかし、不動産取得税の軽減税率を3年延長する措置は、土地開発推進にたいする優遇措置の継続であり、認められません。

●子どもの低線量被ばくの影響調査、県独自で実施を

24年3号は子どもの健康調査を求める請願であり、不採択には反対です。
子育て世代からの健康調査の要望は昨年11月に48団体から知事に出されております。本県は独自の対策を行ってきませんでした。

栃木県は、一つの小学校を対象にホールボディカウンターで内部被ばく量を測定し、汚染状況重点調査地域の3歳から15歳の子どもに、個人線量計を配布して、累積外部被ばく線量を測定しました。
本県は20市町村が汚染調査地域であり、低線量被ばくの子どもへの影響を心配し不安をもつ県民に、独自に健康調査を実行し、政府を動かすことを強く求めます。

●県内12の地方議会で廃炉求め決議

24年6号は、東海第2原発の再稼働を認めず、廃炉の意見書提出を求める請願であり、採択すべきです。
30キロ圏内に100万人が住み、避難計画は不可能と知事も表明しています。運転から34年目を迎える古い原発であり、危険です。

知事あてに提出された廃炉を求める署名はすでに17万人を超え、県内12の地方議会で廃炉を決議しています。本県議会は県民世論に応えて、意見書を提出すべきです。

●「尖閣諸島問題」-軍事的対応で解決しない

議第11号は、尖閣諸島の実効支配を推進するための法整備を求める意見書です。
尖閣諸島は1895年(明治28年)1月の日本政府閣議決定によって、日本領に編入して以来、日本の実効支配が行われてきたものです。

1970年以降になって突如、領有権を主張しはじめた中国側に正当性はありません。
紛争を解決するためには、日本政府が尖閣諸島の領有の歴史上、国際上の正当性について、国際社会及び中国政府に対して、理をつくして主張し、外交努力をつくすことが何よりも重要です。
意見書が示している、新たな法整備による軍事的対応では、緊張を激化させ、問題の解決にはなりません。

平和的外交的な話し合いで解決することが大原則であり、本意見書には同意できません。

●意見書は電気料金値上げ撤回を明確に

議第14号は東京電力の電気料金の値上げに関する意見書です。
5月9日に政府が認定した東電と原子力損害賠償支援機構の「総合特別事業計画」は、公的資金を3兆4千億円も投入し、電気料金の引上げや柏崎刈羽原発の再稼働計画が盛り込まれています。
7月から家庭用電気料金を10.28%値上げし、4月には企業など平均17%の料金値上げが実施され、怒りの声が広がっています。

福島原発の事故処理は、東電とその株主、大口の貸し手である大手金融機関など利害関係者に責任を取らせ、債務放棄させるなど責任を負わせるべきであり、被害者への全面賠償に全力をつくすことです。
この意見書は事業計画を認めており、値上げを撤回すべきという立場が明確に示されておらず同意できません。

以上で討論を終わります。


第2回定例会での各会派の態度

20120615gikai

(「県議会速報」より転載。PDFは日本共産党茨城県委員会Webの「資料」をご覧下さい)